みなさんこんにちは、おゆです。
転売が巨悪の象徴になって久しい現代社会ですが、最近もマックの転売騒動が世間を賑わせていましたね。大量のフードロス、続出する品切れ、欲しい人に届かない現状を嘆く人は多いことでしょう。
諸悪の根源とされているのはメルカリです。
三崎優太さんのポストがバズっていたので紹介しましょう。
一方で堀江貴文さんは昔から転売容認の姿勢を見せています。それはなぜでしょうか。
今回は、『転売=悪=メルカリ』という言説が果たして本当なのか、その根拠を明確にしながら深掘りしていきましょう。
ハッピーセット転売問題

まずは転売を取り巻く現状を理解するために、今の世の中で何が起きているのか確認していきます。
記憶に新しいマクドナルドの転売問題から解説していきます。
ポケモンカード
2025年8月9日、マクドナルドとポケモンカードのコラボ商品が発売されました。
ハッピーセットのおまけとして、ポケモンカードが付いてくるという物です。
マクドナルドは事前に購入制限を1人5セットまでとしていましたが、いざ発売当日になると明らかに5セット以上の購入をしている人がいるなど悪質な買い占めが相継ぎました。
おまけだけ抜き取って食品を受け取らなかったり、おまけだけ抜き取って廃棄する異常な光景がSNSで拡散されたことによって転売、フードロスが大きな問題となりました。
ちいかわ・キティちゃんなど過去にも同じような問題が
今回のポケカの騒動だけでなく、過去にも同じような問題は度々発生しています。
というかマックのおまけって人気キャラクターのものだと必ず転売されるんですよ。
ちいかわ、キティちゃん、ポケモンなどの人気コンテンツのコラボの時は必ず買い占めが発生していました。
こういった事態が続いているにも関わらず、大して問題視してこなかった企業姿勢についても今回厳しい追求を受けている格好ですね。
人気ゲーム転売問題

人気ゲームについても転売のイメージが強い人って多いんじゃないでしょうか。
新作ゲーム機の発売直後は品薄が当たり前、そこに現れる転売屋の構図は誰しも目にしたことがあるのではないでしょうか。

僕もSwitch2全然買えませんでした
Nintendo Switch2
こちらも記憶に新しいNintendo Switch2。
ニンテンドーは前代未聞の徹底的な転売対策を実施したにも関わらず発売日にはフリマアプリに多くの出品が見られました。メルカリでは特に出品者に対する嫌がらせや荒らしコメント、虚偽通報などが相継ぎお祭りムードになっていましたね。
2025年内に供給が安定するとは思い難いので、この戦いはまだ続きそうですね。
PlayStation5
Nintendo Switchよりも大きな問題になったような気がするのがプレステ5の発売時だと思います。
時は2020年、世はまさに大感染症時代です。
PCの需要の増加、世界的な物流の不安定によって半導体が不足し、ゲーム機の生産は大きな打撃を受けました。
品薄かつ需要の高い商品があれば必ず転売は現れます。
ボットを活用した悪質な抽選応募や、為替レートの関係で中国に大量に流れていた事実があります。
ひどい時は定価の倍くらいの値段になっていましたからね。正直異常でしたよ。
特にこの時はソフトメーカーの被害が大きかったと言われています。売上代数に対して実際に遊んでいる人が少なかったことで、ソフトの販売本数が伸びなかったわけですね。
その他過去の転売問題
ジャニーズチケット高額転売問題


2000年代から問題視され始めたのがチケット転売問題ですね。
ジャニーズなどの人気公演は数十万円といった価格で取引されることもあるようで、結果としてアーティストや主催者の意図に反してファンが不利益を被る形となりました。
不正に入手したチケットが市場で転売されることを防ぐために、2019年にチケット不正転売禁止法が制定されています。
まあ今も全然チケット転売ってありますけどね。
スニーカー抽選bot使用疑惑


2010年代になると、プレミアムスニーカーブームが訪れます。
人気モデルは抽選販売限定で、店頭で買おうにも抽選に参加するための権利を並んで獲得する、みたいなことって頻発していましたね。
そんな中不正にBOTを用いて抽選を突破する転売ヤーが現れます。
機械的に大量に応募して当選させるという手法はかなりヘイトを集めましたね。この頃から転売=ズルっていう感じが強まっていった気がします。
コロナ禍マスク転売問題


そして時は2020年、コロナ禍に入るとマスクの着用が求められる機会が一気に増えました。
ここでも現れるんですね、転売ヤー。
品薄になったマスクに追い打ちをかけるように買い占めが横行し、一般消費者はもちろん医療現場で使用するマスクも足りなくなるという大問題に発展しました。
結果的にマスクの転売は禁止されることになったり、マスクの増産を支援したりと国が動くことになりましたね。ここまでくると転売ヤーのイメージは地の底ですよ。
転売はやっぱり悪なの?→事実はそんなに単純じゃない


転売=悪なのか?というと僕はそんなに簡単な話でもないと考えています。
この項ではそこを解説していきます。
「本当に欲しい人が買えない」という事実は無い
そう、実は『本当に欲しい人』はちゃんと買えています。
簡単な話で本当に欲しい人はいくらであっても購入するからですね。
僕の友達に極度のアイドルオタクがいますけど、入りたいチケットはどれだけ積んでも購入していますね。それがマナーが良いとか悪いとかは別としてね。
実際に転売によって『買えない人』というのは『そこそこ欲しい』けど金銭的に難しい人、『そこそこ欲しい』けどメーカー希望小売価格よりは出すつもりがない、っていう人です。決して『本当に欲しい人』ではないのには注意が必要です。
ここで問題になるのが子供の扱いですね。子供は本当に欲しいとしても購買力がありません。
まあ正直これはそういうもんと思うしかないですけどね。社会がそういうルールなのでどうしようもないです。これは転売が関係無い部分なので考慮する意味がないでしょう。(転売がいてもいなくても子供は買えません。)
転売からは買いたくない、だから買えないのと一緒だっていう理屈もおかしいですね。それもあくまでも買えないのではなくて、選択的に『買わない』というのが正しいです。
転売からでも買いたい人がいる事実


これはみなさんよくわかっていますよね。結構有名な方でもNintendo Switch2を転売で購入していますから。
switchみたいな品薄商品は個人で持てる抽選枠に限界があるので、マージン欲しさに2次流通に流してくれる存在を、ありがたがっている人がいるのって容易に想像できますよね。
特にゲームをプレイすることで生活している人たちは顕著でしょうね。最新ゲームを手に入れないなんてありえないし、YouTuberだったらお金はめちゃくちゃありますからね。
他にもトレカであれば、目当てのカードだけを購入できる方法があるのはありがたいですよね。必ず箱から当てないといけないのであれば、レアカードを複数枚用意する必要がある競技勢は困っちゃいますよね。
文化・歴史的背景から転売OKという価値観の国もある
アメリカやヨーロッパでは、転売は立派なビジネスとして認められている背景があります。
よく言われる話ですが、こういう国では儲けることにネガティブな意見が少ない傾向があります。
日本ってなんか転売ががんばらずに儲けるズルい行為っていう印象がありますけど、他国では転売も才能、努力として認められているんですね。
ここで言いたいのは日本との比較では無いです。転売その物が悪というわけでは無く、文化や歴史的な要素によっては転売は全然OKになることもあるということを知る必要があるということです。
ただし本当に悪質な転売も存在する
一方で悪では無いと言い切るつもりもないんですよ。
今回マックで大問題になったの大量のフードロスなんかはありえない失態だと思います。
買い占めによって需要と供給のバランスを意図的に崩す行為や、詐欺行為、窃盗行為が含まれる場合もありますからね。こういった転売は絶対的な悪です。
しかしそれらの悪質な転売ってごく一部ですからね。全てを悪として叩くのは間違っていると。
伝わりますかね?このバランス感覚って
なぜ企業は転売を厳しく規制しないのか


最近では、転売対策を徹底的に行わないと企業が叩かれるという事態も発生しています。
少し前まではある程度転売反対の姿勢を見せているだけで評価されていましたが、今回のマックの件をみると“企業側も連帯責任”という論調が支配的になっています。
しかしそんな世論はどこ吹く風、多くの企業は本格的な転売対策を行なっていないのが現状です。それはなぜでしょうか。
企業は利益を上げないと生き残れない
実は非常に簡単な話なのに、見過ごされがちな部分です。企業の目的は利益を上げることです。
これって当たり前ですよね。
ですが日本ではいまだに『お客様は神様』論者が幅を利かせているので、“企業はお客様のために行動すべき“という考えを持っている人が多くいるのです。
実際には売上≒利益を上げることが使命であり、お客様のための行動というのはその手段でしかありません。
ここの順序は間違えないように物事を捉える必要があるでしょう。
売上を上げることを目的とするのであれば、転売だろうがなんだろうが売れれば関係ないっていうのが企業側の本音なんですよね。
転売=悪魔の取引


困ったことに転売ヤーというのは企業にとってみるとそんなに嫌なお客さんではありません。
というのも、発売日にすぐに購入してくれるし、定価で購入してくれるし、すぐに転売してしまうのでクレームリスクも少ないんですよ。僕も小売の人間なのでこれは自信を持って言えますが、“安くなってから買おう“みたいな人の方がクレームリスクが高いし、いちゃもんをつけてきます。そんな人たちよりは黙って大量に買っていってくれる転売ヤーってめちゃくちゃ良質なお客様ですよ。
だから切り捨てられないんですよね。転売対策に本腰を入れないと叩かれることはわかっちゃいる、だけど売れるなら経路はどうでもいいし、転売ヤーってそんなに実害がないから売っちゃうんですよね。
ある種悪魔の取引と言ってもいいかもしれません。企業イメージをちょっとだけ悪くする代わりに、大量のキャッシュを手に入れる方法なわけです。
結局のところ“対策してるっぽい立ち回り”が最強になる
なので企業はこういうスタンスになりがちなんですよね。
本気でやれば転売対策はできるんだけど、売上のためにやりません。
ちょっとだけ対策してるっぽく見せて、実情は転売でも全然オッケーと。
これが企業イメージと売上を両方取れる攻守最強の構えですね。
まあマックは今回失敗しましたけどね。
メルカリはなぜ規制されないのか


ここから話の核心に迫っていきましょう。
なぜ、諸悪の根源とされているメルカリは規制されないのか。
なぜここまで叩かれてもメルカリは転売商品の出品を禁止しないのか。
答えは非常にシンプルで、わかりやすい話です。
利益を得るために出品を規制しない
これはみなさんよくわかっていますよね。
メルカリは売れた商品からマージンをとって儲けています。
であるならば売買が成立しやすい人気商品を規制する理由がありません。合法ですしね。
メルカリは消費者に公正な取引の場を用意するプライドがある


Nintendo Switchの発売に際して、ニンテンドーは各社2次流通プラットフォームに転売品の出品に対する規制を要請していましたね。メルカリはご存の通り出品自体は規制せず、『この商品は価格が急騰している』という文言を記載するのみとしました。
この対応は多くの反対意見を集めることになりました。なぜメルカリはニンテンドーからの要請を断るような形をとったのか。それはメルカリがプラットフォームとしてのプライドを守ったからです。
ニンテンドーの出品規制に対する要請というのは、言い換えると『圧力』です。
大きな力を持った会社が、力関係を利用して小さな企業に圧力をかけるのと構造は同じです。(メルカリを小さな会社というのは無理がありますが)
仮に今回の要請を承諾すると次から次へと同じような要請に対応する必要が出てくるでしょう。
そうして次第に人気商品は並ばないプラットフォームになるでしょう。これは実は我々消費者にとってもデメリットになります。公正で自由な取引の機会を失うことになるのです。
メルカリは世間の批判に晒されながらも、消費者が不利にならないようにプラットフォームとしての尊厳を守ったのです。こうして視点を変えて物事を捉えてみると、悪者に見えなくなってくるでしょ?
一度顧客を失ったら二度と戻ってこない


仮にメルカリが転売商品の出品を規制したとして、転売ヤーはどうなるでしょうか。
いなくなるんでしょうか?
そんなわけないですよね。
転売ヤーは別のプラットフォームに流れ、転売を繰り返すだけです。
メルカリが規制をすればラクマに、国内企業が全て規制をすれば海外プラットフォームへと移り変わるだけですね。
こうして顧客が海外に流れてしまったらどうなるでしょうか。
GoogleやAmazonの台頭によって日本経済はどういった影響を受けているでしょうか。そういうことです。
国内で循環していた手数料は次第に海外に流れ、改めて顧客獲得をしようと思ってももう間に合いません。最悪のシナリオですよね。
国が規制するのは大きなリスクを伴う
企業が規制できないなら国が規制するしかない、そいう意見もよく聞きますね。
これはどう考えるべきでしょうか。
まあ簡単で、これは最も愚かな一手と考えるべきです。
資本主義社会において国が経済に干渉するのは基本的にNGです。それやり出したら独裁国家ですよ。
国民の自由なビジネスを保障するためにも、国が干渉するのは避けるべきです。
先述した通り資本が海外に流れたり、需要と供給によって値段が決定される、という経済の基本原理を崩壊させる結果になりかねません。
あくまでも公共性の高い事案のみの規制にとどまる
国が今まで口出しした例としては、社会インフラとしての側面が強いケータイキャリアや、国民の健康を脅かす可能性があったマスクなどの医療用用品、公共性が高く代替の効かないチケット転売などです。
あくまでも公共的、国民の不利益になりうると判断された最終手段というわけですね。
まあ個人的にはチケット転売の規制は必要ないんじゃないか?とは思ってます。
転売は絶対に無くならない


最終的に私の考えをまとめて終わりにします。
転売は無くなりません。転売が嫌いなみなさんにとっては残念かもしれませんが。
日本が資本主義であり続ける以上、市場に転売は存在し続けるでしょうね。
かと言って全く対策をしないのも消費者心理を軽視しすぎ
転売は無くならない、だから対策は全くしないというのも極端すぎる話だと思います。日本ではこれだけ転売憎しの流れが出来上がっているわけですから、少なくとも転売の容認は企業イメージへの大きな打撃になるでしょう。
利益第一主義については先ほど書いた通りなのですが、そこには必ず顧客が存在するわけですよ。顧客心理を無視してビジネスを成功させることは難しいでしょう。
社会は個人の集合体ですから、しっかりと個人の感情にも向き合っていく姿勢を企業には求めていきたいですね。
こういう物と思って生きられる人が一番幸せかもしれない
一方で消費者はどうするのがいいか。これも簡単な話なんですよね。こういう物、世間には転売が存在するし買う人もいると理解して普通に生きていけばいいと思います。
品薄の商品は転売ヤーがいようといまいと品薄ですし、抽選に当たって手に入れた商品をその人がどうしようとその人の勝手です。
自分は自分、他人は他人としっかり分けて考えるのがいいと思います。
かくいう僕は元々こういう考え方です。なので転売問題ってどうでもいいんですよね、正直。
詐欺行為・悪質な買い占めにはしっかりとNOを言っていこう


直接転売が悪いわけでは無いんですけど、こういった悪質な行為と繋がりが深いのも事実ですよね。詐欺、買い占め、食料廃棄や窃盗。こういった行為にはしっかりとNGを言えるようにしたいですよね。
メルカリも実はこういった悪質な行為については規制を強めている背景があります。メルカリを叩いている人には是非知って欲しい事実です。
無在庫転売や詐欺出品、窃盗品の出品などは削除されるようになってきています。アルゴリズムがまだ不完全で、残っている場合もあるみたいですけどね。
悪い物は悪い、良い物は良い。世間やSNSに流されずにしっかりと考えて、判断できるようにしていきたいですね。
まとめ|何でもかんでも叩くのはやめよう
世は大SNS時代です。情報が簡単に確認できるようになって、正しい意見が収集しやすくなっています。一方でそれと同時に、エコーチェンバー現象やフィルターバブル現象といったような、認知の歪みを生じさせる影響も無視できなくなっています。
本当に自分が集めた情報が偏りのない物なのか、SNSで叩かれているものが本当に悪い物なのか。自分自身でしっかりと考えていけると素敵ですよね。
なんでもかんでも叩けばいい、炎上させれば自分の思い通りになるという考え方は非常に危険です。僕はこういう考え方大嫌いですね。
みなさんは何かを叩く前に、一旦冷静に考えて、本当に悪いことなのかどうかを理解できるようになってくださいね!
今日は以上です!
ありがとうございました!
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