みなさんこんにちは。おゆです。
「ラグジュアリーブランドにプレゼントを買いに行ったら、店員が最悪だった」
「店員の態度が悪くてすぐ店を出た。」
こういう話って度々話題になりますよね。最近もXでバズってるのを見かけました。
僕はファッション関係の仕事をしているのですが、実際に業界の中にいても感じることがあります。買い物行った時なんかもそうですね。接客が酷い店員って実際に多いです。
今日はなぜアパレル店員の態度はデカいのか、その理由に迫っていこうと思います。

アパレル店員の態度が悪い理由
ここからは実際に業界内にいる僕がみてきた、アパレル店員の態度が悪い理由を詳細に解説していきます。
ちなみにちゃんと言っておきますが僕は態度の悪いスタッフは絶対に許しません。
今回も『態度が悪い理由』を解説するのであって態度が悪くていい、と言いたいわけではないですからね。
売上規模が大きくて個人を軽視している

これはシンプルに悪い理由です。店舗の売上目標が高すぎるので単価の低いお客様を適当にあしらっているんですね。まあ確かにやっている側からすると気持ちは結構わかります。
ブランドショップもビジネスですから、売上の目標があります。売上がないと存続できません。例えば、1日の目標売上が100万円のお店で、プレゼントに4000円の靴下を買うか買わないか1時間悩む人がいたらどうでしょうか。まあスタッフからしたら嫌になりますよね。
その1時間で単価5万円のお客さんを何人か逃すかもしれないですよね。
特にアパレルスタッフには個人売上という名の売上ノルマがあるので、正直次行きたいんだけど…って思ってしまう気持ちもわかります。
そしてこの売上の規模感はスタッフとお客様とで感覚に大きな乖離があります。
例えばラグジュアリーブランドで10万円のTシャツを買うか悩んでるとしましょう。Tシャツに10万ですよ。めちゃくちゃ高いじゃないですか。
でもこれってスタッフからするとどうでしょうか。
ラグジュアリーブランドの10万円ってはっきり言って安い客です。そりゃ本命は数十万、数百万のバッグを売ることですから、10万円で長々悩まれるくらいなら次に行きたくなっちゃうんですよね。
まあよくないですよ。スタッフも人間なので気持ちは理解してあげられますが、ブランドショップの店員としては失格ですね。私たちはエンターテイナーであるべきです。売り場は舞台、全てのお客様に楽しい時間を過ごしてもらうのが僕たちの仕事なんですよね。お客様を選ぶような三流を抱えるお店は長くは続かないでしょう。
インセンティブ

そしてインセンティブの存在もこの問題に大きく関係してきます。
先ほどの売上の話に付随して、特にラグジュアリーブランドにはインセンティブの制度があります。
自分の売上の数%のキックバックが発生するようになっているんですよ。
こうなると客単価にこだわりたい気持ちに拍車がかかりますよね。
百万円売って数万のインセンティブを得るのか、1万円で数百円のインセンティブを得るのか、実は接客にかかる時間ってあまり変わらないんですよね。なんなら高いものを買う人って本当に一瞬で決めます。
こういう理由でテキトーに接客してる人もいるわけですね。
普段からチヤホヤされているから

そしてこれも重要な要素です。
アパレル店員って思っている以上にSNSフォロワーを抱えてる人がいっっっぱいいます。
インスタ数万、TikTok数万みたいなレベルの人なら当たり前ってくらい本当にたくさんいるんですよ。
僕が以前働いてた館の他の店舗ですが、今はもう70万人越えのYouTuberが働いていました。
当時から結構話題でしたね。チヤホヤされてるわけですよ。
逆にアパレル店員って結構煙たがられる職種です。
声かけが嫌いなお客様も多いですし、結構冷たくされることも多いです。それでもお客様を楽しませるために頑張るわけですが、こういう時普段からチヤホヤされている人、ファンがたくさんいる人だったらどうでしょうか。
『いやお前何様なん?』
って思っちゃいそうじゃないですか?
特に若くて威勢のいい人も多いですから、こういう傾向が顕著なわけですね。
そもそも派遣・アルバイトでやる気がない人もいる
これはそもそも論ですね。
残念ながらアパレル業界って非正規雇用が多い業界です。時給がそこまで高くない人も多いんです。
逆に時給だけに釣られて対して好きでも無い、共感もしていないブランドショップで働いている人もいます。
ほとんどの人が一生懸命やっているのですが、一部やる気が無い人もいます。
たまたまこういう人に当たってしまうと最悪な接客を受けることになるわけですね。
また、残念ながら知識や教養不足で失礼な接客をしてしまう人もいます。
全ての会社が質の高いトレーニングを実施できるわけでは無いですし、時給もそこまで高くない以上優秀な人材がバンバン集まってくる業界では無いのが現実です。これは悲しいことですけどね。
本当に素敵な接客をしてくれる店員さんを知っている人は、ぜひその人のいるブランドを応援してあげてほしいですね。これって本当に凄まじい努力です。
自分では買えないくせに、という誤解

給料の話を少ししたので、ついでにアパレルの給料は本当に低いのか?という話をしてみます。
特にラグジュアリーブランドの店員を攻撃する時によく言われるのですが、
『お前の給料じゃ買えないくせに偉そう』
っていう論調があります。ですがこれ、実はちょっと違います。
アパレルの給料って意外と悪くない(人もいる)
アパレルショップスタッフの平均年収を調べてみると250〜350万って出てきます。
はっきり言っておきますがこんなに低くないです。
なぜこんなに平均年収が下がってしまうのか、理由は明白です。
先ほども書いたようにアパレル業界は非正規雇用の若者で回っているからです。
時給で働いている人が多いのでどうしても平均が下がってしまうんですよね。
20代で500万くらい貰ってる人なら全然普通にいますし、ちゃんと頑張っている人は平均よりもらえてます。
僕の周りって外資系ブランドの人ばっかりなので日本の企業のことはあまりわからないですけどね。
そして槍玉に挙げられているラグジュアリーブランドでいうと、700万〜1000万貰っている人もいるんですよ。思ったより稼げてると思いません?
これは先述したインセンティブの影響ですね。売上を持っているセールスは本気でめちゃくちゃ稼いでいます。まあこれはどの業界もそうなんですよ。
そして先ほど書いたようにインフルエンサーが結構いる業界なので、アフィリエイト収入を貰っている人だったり、企業タイアップで服を作っている人とかもいます。そういった収入も合わせるとまあ結構稼いでいますよね。
だから『店員は買えない』というのは誤りなんですよね。意外と買えます。
まあ酷い接客をするような人はそんなに稼げてないと思いますけどね。
自分の収入に納得いかない人は↓
自分の受け答えは適正だったか振り返ることも大事
最後に、僕のブログでは恒例になりつつある消費者側にできることを書いておこうと思います。

煽られる側にも原因がある、みたいな話

みなさん、店員に声をかけられた時にどういう対応をするでしょうか。
話しかけてくるなよ、みたいな顔してません?
僕の経験上80%くらいの人はこんな感じです。まあ当たり前ですよね、知らない人ですから。
では僕はどうするかというと、ニッコニコで『ありがとうございます!』って言ってなんなら自分からめちゃくちゃ店員さんに話しかけます。逆にね。
自分が接客しててその方が楽しいからです。よく喋る人、はつらつとした人って接客している側からしてもすごく楽しいんですよね。そういう人に嫌な接客する人っていないと思いますよ。
僕自身は『話しかけてこないなー』みたいに感じることはありますが、声をかけてきてくれたスタッフさんで嫌な思いをしたことってほとんどないですからね。
これって煽り運転の問題にちょっと似てるんですよ。
煽る側が100%悪いのは大前提ですが、煽り運転につながるような運転も気をつけないといけないですよね。無理な割り込み、追いつかれた車両の義務違反、走行区分違反など、煽られ運転って結構あるんですよ。
これがショップでも発生しているんですね。
みなさんショップスタッフに冷たくしていませんか?失礼な物言いをしていないでしょうか。
一旦自分の行動を見直してみると、もっと素敵な買い物ができるようになるかもしれません。
まとめ|それでも態度の悪い店員はだめ
いかがだったでしょうか。
意外と本質的な理由を解説できている人っていないように思ったので、今日は解説してみました。
最後にもう一回言っておきますが、
態度の悪い店員は最悪です。
だからこそ、気持ちのいい接客をするお店はぜひ大切にして欲しいです。
みなさんのファッションライフが良いものになりますように!
今日は以上です!
ありがとうございました!
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