みなさんこんにちは。おゆです。
みなさんは自動車保険を検討する際に車両保険を付帯させるでしょうか。
僕はもっぱらつけない派なんですが、今日はなぜ車両保険をつけないのか、つけるべき人はどんな人なのかを解説していきます。
ぜひみなさんが保険を検討する時の参考にしていただけたらと思います。

おゆです。
前職車の販売をしていました。自動車保険の販売資格も持っています。
保険の提案をしていた側なので裏話を交えながら解説していきます。


動画化しました↓
そもそも車両保険って何が保証されるの
そもそも車両保険って何かみなさんご存知でしょうか。
これ意外と複雑なんですよね。
ざっくり言うと、『事故や災害が起きたとき、自分の車を修理するための保険』です。
事故を起こしてしまった時、相手の車の損害分は対物保証保険で支払われます。一方で自分の車は修理ができないですから、こういった場合に車両保険を使うわけです。
他にも、
- 自損事故
- 洪水、災害、台風、雹などの自然災害による損害
- 飛び石によるフロントガラスの損傷
- イタズラや盗難
こういった場合でも車両保険を使うことができます。
ちなみに非常にややこしいのですが地震による被害は保証されません。
一般条件(ワイドカバー)と限定条件(エコノミー)がある
見積もりを自分でしてみたことがある方なんかは馴染みがあると思うのですが、車両保険には2種類あります。
前述したような損害を全てカバーできる一般条件と、1部の損害のみの保障とすることで保険料を割安にできる限定条件です。
限定条件だと、通常単独での事故や当て逃げが保障されなくなります。
これらの2つの条件は、購入車両の金額や年式、ご自身の経済状況など総合的に判断してどちらを契約するか検討する必要があります。
車両保険のメリットとデメリット


車両保険とは何か確認が終わったところで、ここからは実際に車両保険のメリットとデメリット確認していきましょう。
メリット①急な出費に怯えずに安心して車に乗れる
車の修理費と言うのは高額になりがちです。特に昨今の新型車であれば、なおさら高額な部品が付いていることも少なくありません。単独事故で修理が必要になった時にいきなり数十万円の修理代を支払うことになると思うと、安心して運転できませんよね
車両保険済つけておけば、そんな心配とはおさらば。安心して車に乗ることができます。
メリット②当て逃げの場合などでも修理ができる
当て逃げの場合でも保険を使うことができるのは大きなメリットです。
そもそも相手がわからないのであれば、相手の保証を期待することはできません。
どうしても、当て逃げやドアパンチは泣き寝入りになる場合が多いです。



僕もドアパン何回も食らってますけど、1回も犯人捕まったことないです。これはもう自衛するしか無いですね。
そんな時に自分で高額が修理費を払わなくて済むのであれば嬉しいですよね。
メリット③災害に備えられる
車両保険があれば、台風など災害に備えることができます。
特に車を持っている人にとって最も恐ろしい災害、雹害に対応することができます。
これはありがたい。
デメリット①保険料が高額になる


車両保険をつけるデメリットの中で最も先に思いつく、そして最も大きなデメリットがこちらです。
車両保険を付帯すると、とにかく保険料が高くなります。
余裕で倍以上になりますし、若い方や車両価格の高い車に乗っている方なんかは、年間数十万円の保険料なんて当たり前です。
基本的に保険なんて使わない前提で入りますから、この金額の差は正直きついですよね。
デメリット②限定保証だと入る意義が薄い
そしてもう一つ金額の部分とリンクしてくるのですが、安くしようと思って限定保証にすると、今度は加入の意味がなくなります。
というのも車両保険の大きな魅力である単独事故の保証や当て逃げの保証が使えなくなります。意味ないですよね。
リスクの低い災害にだけ対応するにはやはり保険料が割高な気がします。
実際に見積もりしてみた
ここまでは車両保険のメリットとデメリットを紹介してきましたが、ここからはデメリットの部分でお伝えした保険料の高さについて解説していきます。
実際に見積もりを取ってみましたので、それを比較していきましょう。
まずは前提となる条件から。
- 保険会社はチューリッヒ
- 等級は11等級、事故無し
- 対人対物は無制限
- その他保証については、現実的な保証金額で初期設定からいじらず。
車両はBMW X4 20d M sport (車両保険の料率クラスは17)- 車両はマツダ CX-30(車両保険の料率クラスは8)
- 車両保険金額は240万円



自分の車で試算しようと思ったら料率クラス17で全然参考にならない数値になってしまいました。なのでCX-30に代わってもらいます。
料率クラスというのはいわば保険料を決める基準みたいなもので、事故率(保険金の払い出し金額)が高い車や高額車両は高めに設定されます。1〜17まであって、クラスが1上がるごとに保険料が1.1倍になっていきます。
車両保険有り無しでの比較
まずはこちらが車両保険なしのパターンです。


一括払い44300円です。インターネットで契約する保険はやはり安いですね。
次が限定条件で車両保険をつけた場合です。


1ヶ月77150円です。3万円以上のアップですね。なかなか厳しい。
そして次がいよいよ一般条件をつけた場合です。


一括払い119700円です。車両なしの3倍近い金額まで上がっています。これは高いです。



ちなみに僕の車(料率クラス17)でやってみると
車両無し55000円、車両あり25万円でした。いや流石によ。
僕が契約してるソニー損保だとそもそも車両保険をつけることすらできませんでした。
これで料率8ですから、もっと料率クラスが高ければさらに上がります。
車両保険無しと一般条件の差額が75400円/年ですから、仮にこの車に5年間乗り続けるとすると合計で377000円の差額が出ることになります。
おおよその人は加入しなくていい


ここまで解説してきて、お分かりかと思いますが、おおよその人は車両保険に加入する必要がありません。というかなるべく入らないほうがいいです。保険料が高すぎるからですね。
ここからはより詳しく車両保険に入らなくても良い理由というのを解説していきます。
車両保険の本質は積立+前借り
保険について詳しくないと勘違いしやすい、というか保険の担当が一番はぐらかしてくるポイントがこれです。
自動車保険というのは使うと次の年から保険料がめちゃくちゃ上がります。
これはみなさんなんとなくご存知ですよね。
事故をしなければ等級が上がっていって割引になるし、事故を起こすと等級が下がって割引が少なくなると。
実はそれだけではありません。
等級のダウンに加えて事故あり係数というのが加算されます。
1等級ダウンの事故(災害やイタズラ)であれば1年、3等級ダウンの事故(単独事故、車対車の衝突など)であれば3年間保険料金にペナルティがつくんです。



つまり同じ10等級の人でも、9等級から無事故で上がった人と、事故をして13等級から下がってきた人とでは保険料が全然違うわけです。
またまた実際に見積もりしてみる
先ほどの見積もりと同じ条件で、今度は仮に車両保険を使ったとして、翌年からの保険料を見積もりしてみます。
3等級ダウンですので先ほどの11等級から8等級に、事故あり係数3年で見積もりしています。


はい、どうでしょうか。一気に74070円のアップです。
しかも、3年間続きます。実際には無事故であれば等級が上がっていくので若干下がっていきますが、事故ありのペナルティが大きすぎるので大した割引になりません。3年間で20万円も余分に支払うことになるんです。
保険で直したつもりでも結局57万円も支払っている
おかしいですよね。万が一に備えて保険料を支払っているのに、実際に使うとちゃんと使った分回収されるんですよ。
だから、車両保険の本質は積立+前借りなんです。全然保険の体をなしていないです。
修理費で60万円以上かかる場合がどれくらいあるでしょうか?
ポールにぶつかって板金するくらいなら10万円もしないですし、ボンネットがペシャンコになったりすればまあわからないでもないですけど、そもそもそんな運転するんじゃねえ。って話ですし。



よくある話ですけど、『これくらいの修理費なら損するから車両保険使わない』みたいな人いますよね。本末転倒です。
というかほとんど損するようにできてるんですよ。使わせないためにね。
万が一得した場合もいつか絶対に回収される
仮に、仮にですが全損になるような大きな災害に見舞われたとしましょう。
5年間車両保険の保険料を支払い続けて(37万円)、5年目に水害で車両が全損したとして。
あなたは満額の240万円の保険金を受領しました。これは確かにめちゃくちゃ得してますよね。
こういう場合って、『私は車両保険に入っていて本当に良かった!!』っていうバイアスが絶対にかかります。
いわゆる生存者バイアスですね。
さてみなさん。こうなったら車両保険を外せるでしょうか。
外せないと思いますよ。一度味わってしまってますからね、恐怖と救済を。
37万円の支払いに対して240万円の保険金ですから、現状は203万円勝っているわけです。
これが車両保険を外さずに払い続けるとどうなるでしょう。
まず事故あり3年で先ほどと同じ金額を払うとすると次の5年で57万円支払うことになります。
そして、残りの146万円を1年当たりの75400円で割ると20年もあれば余裕で回収できちゃうわけです。トータル25年でペイできました。
しかも、こういう人は自分の近親者にも車両保険を絶対につけるべきとおすすめするでしょう。
保険会社からすると、使われなかったらもちろん儲かるし使わせても全然儲かる、という無敵の保険なんですよ。
単独事故で高額修理になることはあまり多くない


これについては前述したとおりですが、車両保険の使用を検討する場合というのは高額な修理費が必要な場合のみです。ですが、自損事故であればそこまで高額な修理費用がかかる場合は多くありません。
飛び石や電柱との接触であれば数万円程度でしょう。
高額な修理費が必要な単独事故というのは、居眠り運転やスピードの出し過ぎ、スマホ、飲酒運転など運転者の意識で防げるものがほとんどです。
まずはそんな事故を起こさないように日頃の安全運転を心がけるべきです。
貯蓄で備えればOK
そして何よりも重要なのが、貯蓄でしっかりと備えておくことです。
不要な保険料を払わずに貯金しておけば十番な場合がほとんどですよ。
貯蓄で備えられないような高額な車は身の丈にあっていないんですよ。
修理費、管理・維持費まで含めて、しっかりと計画的に車を購入しましょう。
相手が無保険車の場合は…


ここまで車両保険は不要という説明をしてきましたが、最後に唯一どうしようもないパターンもちゃんと説明します。
相手が無保険車だった場合です。
相手が無保険、かつ支払い能力のない人だった場合、お金が一切もらえない可能性があります。
基本的に自賠責や政府の保証が受けられるので人に対する保証は受けられる場合がほとんどです。
ただし、物に対する保証は一切されません。自賠責に対物保証はないですから。
なのでこういう場合は車両保険が無いと修理費が全額自分もちで、結構キツくなる可能性はあります。
それでも先ほどの話を踏まえると入る必要が無いと僕は思いますけどね。
結局回収されちゃうわけですし。
無保険車の割合が今10%くらいと言われていて、自分が事故に遭う確率、その相手が無保険車である確率を総合的に判断して、それでも加入した方がいいと思う人は入ってもいいと思います。
車両保険に加入した方がいい人


では最後に、こんな人なら車両保険に入ってもいい、というお話をして終わります。
生活資金に余力が無い
急に修理費30万円も出せるわけないじゃないか!っていう人、いると思います。
うちの両親とかそうでしたから。
こういう場合は車両保険で備えておかないと生活が終わってしまいますからね。
悪くないでしょう。
高額なローンを組んでいる
高額車両をローンで購入している人も注意ですね。
万が一廃車になったらローンだけが残ってしまいます。
そうならないためにも、車両保険にしっかり加入しておきましょう。
そもそも購入車両が適正か判断するべき
はい。言いたいのはこれです。
車両保険に入った方がいい人、どちらのパターンも購入車両自体の見直しが必要です。
修理費が払えないレベルの生活ならそもそももっと安い中古車を買う方法もあります。10万円で車って買えますからね。ローンで破産するくらいの車なんて買ってはダメなのは言わずもがな。
車両保険を検討する前に、車両保険に頼らないといけないなら購入車両自体が間違っているかもしれないという考えをしっかりと持っておくことが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は車両保険、本当はいらないんじゃないか?という話について
- 車両保険は自分の車を治す保険である
- 急な出費に備えられる安心感はあるが保険料が高い
- 5年間で数十万円の差額が出る場合もある
- 本質は積立+前借りで、多くの人は入らなくていい
- 貯蓄でしっかり蓄えて、計画的に車を購入しよう
これらの内容を解説しました。
今車両保険を契約している方も、これから車を購入する予定の人も、保険を正しく理解して無駄なお金を払わないようにしてくださいね。
今日は以上です!
ありがとうございました!
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