世の中には新車派と中古車派がひしめき合っていると思います。
カーディーラーでの勤務経験のある僕が絶対に新車を買わない理由を解説します。
はじめに
僕は社会人になりたての頃輸入車のディーラーで新車販売の営業をしていました。
つまり誰よりもお客様に新車購入のメリットをお伝えしていたわけです。
そんな僕ですら新車購入はデメリットが大きすぎると断言できます。
次の項目からは実際にメリットデメリットを踏まえて実際にどう検討すれば良いのかお伝えします。
新車購入のメリット
新品であること
まず第一に挙げられるのはあたりまえですが
- 自分が最初のオーナー、誰も乗ってない
ことですよね。
とにかく他人の手垢のついた物なんていや！って人一定数いると思うんですよ。
そういう人には大きなメリットになります。
車のコンディションというのは運転の仕方によって大きな差が出ます。
雑に1年乗るのと、丁寧に10年乗るのとでは後者の方が状態が良いなんてこともありえます。
個体差を心配しなくて良いというのは魅力的ですよね。
そしてワンオーナーは買取時プラス査定になります。
新車保証
これも大きなメリットです。
- 標準で3年間保証が受けられます。（メーカーによっては無償・有償で5年にできたりします）
つまり最初の車検までは何があっても大丈夫です。保証対象外の場合もあるけどね。
修理費用は高額になる場合もあるのでこれは安心ですよね。
新車特約（車両新価特約）が付けられる
これは保険の話ですが、
- 事故の際、損害金額が車両の価格の50％以上になった場合新車に乗り換えられます。
車両保険をつけることが前提ですが、新車登録から一定の期間であれば車両新価特約が付けられんます。
事故を起こしてしまった時に廃車のリスクが無くなるので安心ですよね。
これで何人も乗り換えてもらいました。もちろん車両代は保険から出るので、ディーラー側からすると1台販売できますのでこんなにおいしい話はありません。
好きな仕様で注文できる
これも当たり前ですが、
- 好きな色、好きなオプションなんでも選べます。
長く乗ることになりますから、気に入った一台を選びたいですよね。
新車購入のデメリット
購入した直後に価値が暴落する
これです。これがほぼ結論です。
輸入車であればナンバーをつけただけで（登録しただけで）価値が数百万円落ちるなんて当たり前です。
国産車だとその傾向はやや緩やかですが、それでも絶対に価値が下がります。
当たり前ですが、車両価格には本体代の他にも
- ディーラーの利益
- セールスのインセンティブ
- メーカーの利益
が乗っています。
この分が購入しただけで勝手に差し引かれるわけですから、値段は下がりますよね。
また、車両販売においてはメーカーからディーラーに対して値引き支援金が支払われている場合もあります。
これが時期によって違うわけですが（今月は最大10万円、来月は販売強化で30万円など）、この分値引きされて買っている人がいる以上中古市場価格はその金額以上になり得ません。
だから、あなたが買ったその時の値段が適正価格かわからないんです。知らないうちに高値掴みしている可能性があります。
数十万、数百万円どうしてもドブに捨てたいのであれば止めませんが、そうでないなら一度考えなおしましょう。お金は大事です。
メリットには全て裏がある
思ってるほど新品じゃない
これは想像しやすいと思いますが、その新車は売れるまでどこに保管されているでしょう？
その新車をここまでどうやって運んできたの？
倉庫に保管されているわけではありませんよね。
多少の保護フィルムみたいなものは貼ってありますが普通に外で雨ざらしになっていますし、よく知らないおっちゃんが普通に乗って動かしてます。
ワンオーナーでプラス査定になった所で、それ以上価値が落ちているので意味がありません。
中古車保証も十分、そもそもいらない
そもそも今の車って全然壊れないです。国産車も輸入車も3年くらいは普通にノーメンテナンスでも乗れます。
そして最近の中古車ってまともな所で買えばほぼ確実に保証が付いてます。
無償半年くらいは当たり前で、有償で2年つけたり、メーカーの認定中古車であれば無償で1年ついてたりします。
これって、壊れないから実現してるんですよ。
そもそも壊れまくってたら無償保証なんて不可能です。
新車特約で一番得するのはディーラー
これは働いていたからこそ間違いなく言い切れます。
新車特約はディーラーのための特約です。
保険会社は、“ここを強みに保険を売ってくださいね、あなたたちにもメリットありますよね？”ってことを言ってるんですよね。
確かにもし全損になるような事故があったらと思うと不安なんですが、そもそもそんな危険な運転やめましょう。相手に突っ込まれたなら相手の保険で出ます。
今の車なら安全装備はガチガチですし、しっかり安全運転を心がけていればそう大きな自損事故は発生し得ないと思います。仮に発生してしまったら諦めて貯蓄からなんとかしてください。
思ってるほど好きな仕様で買えない
これはディーラーの方針にもよるのですが、ディーラーとしては月内に売上を立てたいのでバックオーダーはしたくないんですよね。
なるべく在庫車両から売りたいわけです。
となると、“こっちの色なら納期早いですよ！”とか”この装備は意外と使わないですよ！””この装備はあったほうがいいですよ！”みたいな話が出てきて、だんだん理想の車から遠ざかっていきます。気づかないうちにね。
結論：登録未使用車、距離薄ワンオーナーが最適解
残念ながら新車のメリットはあってないようなものということがわかってしまった所で、僕がお勧めする最強の車購入を紹介します。
結論は中古車購入なのですが、中古車であれば
- 中古車販売店の利益
くらいしか乗ってないんですよね。
この時点で金銭的にかなり有利になってきます。
こちらが最後に車を手放す時も、購入金額は安くても売却金額は新車とほぼ変わらないため、コストパフォーマンスに優れています。市場にとってはその車が新車で買われているかなんて関係ないですからね。コンディションが大事です。
登録未使用車がおすすめ
とはいえ、あまりにも素性がわからない車を購入するのはおすすめできません。
どんな使われ方、メンテナンスがされていたかわからない以上故障のリスクが高くなります。
登録未使用車は、登録だけされて値段は下がり切っているのに誰も乗っていない車です。
登録未使用車は、メーカーからディーラーに課される販売ノルマ達成のため、ディーラーがやむなく登録だけしたという市場の歪みです。（この方が利益が出たりします）
そして実態は新車なので保証継承ができます。
新車保証がそののまま使えるわけですね。
ただし市場に存在する台数は少なめ
これは当然ですが市場の歪みなのでそう多くは存在していません。
狙った車種に登録未使用車がない場合は、メーカー認定中古車の距離薄車両を選びましょう。
認定中古車であれば整備記録がしっかり残っていたり、販売前のメンテナンスがしっかりされているので安心です。
整備簿付きのワンオーナー車両だとより安心ですね。
でも試乗車はあまりおすすめしません
これは単純に雑に扱われているからですね。
お客さんも試乗車であると結構乱暴に乗る人もいます。
新型車両だとお客さんに貸し出す前にセールスがパフォーマンスを確かめるために峠に持って行ったりしてますからね。なにされてるかわかりません。
だいたい記載があるのでなるべく避けるようにしましょう。
まとめ
車の購入は一般的に人生における最も大きな選択の一つで、そう何回も経験することではありません。
だからこそしっかりと考え、自分の人生を豊かにしてくれるパートナーを見つけていただければと思います。
しっかりと自分の資産を守りつつ、賢い選択をしていきましょう！
今日は以上です！
ありがとうございました！
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